忍者ブログ

東信TRPGコンベンション

東信TRPGコンベンションホームページへようこそ。 こちらではコンベンション開催要項等を掲載しております。

Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
忍者ブログ [PR]

このブログについて

長野県東信地区にて行われますTRPGコンベンション「東信TRPGコンベンション」のHPです。
公式Twitter:TRPG_toushin
お問い合わせはこちら:trpg.toushin@gmail.com
東信コンベンションとは:概要

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

5/15に予定していたGM予定の方のインタビューをご依頼したあとに中止が決まったため、記事だけでもと思い掲載しました。気持ちだけでも届くと幸いです。


―TRPGに触れたきっかけを教えて下さい。
三池(以下、三と表記):TRPGという遊びを知ったのは高校時代に地元の友人がD&Dだか何かのボックスをみせてもらった時で、約三十年前ですね。それから何度目かのTRPGのお誘いを受け、約二十年前にはじめてTRPGを遊び、今日に至っています。約十年も誘い続けたくれた友人の粘り強さのおかげです。
―素敵なご友人ですね。
その友人とは高校時代から学生時代まで、RPGツクールDante98でゲームを一緒に作っていました。最初に僕が街のマップを作ったときはドラクエとかFFのイメージでなんとなく建物を置いたのだけど、友人が「こんな街はない、中央にメインストリートとそこに立ち並ぶ商店があって、中央には教会が、小さな村なら井戸があるはずだ」と言われました。結局、人物設定やシナリオだけでなく、町のマップの構造や城の内部まで友人が考えてくれて“何でそこまで考えられるんだろう”と思ったものです。
―街を作るという意味が彼とは違った、ということなんでしょうか?
三:そうかもしれません。彼は中世世界の歴史の本とかを貸してくれて、そういう文化とか知識から街を作るんだという観点を教えてくれましたね。
―その時三池さんはどのようなことを学んだのでしょう?
三:自分の知識には限界があるなというのを感じました。プログラムとしてゲームを表現することはできるけども、ゲームという“世界"を作っていくことに一人は難しいとも思いました。
―みんなで作り上げていく感覚が大きいということでしょうか。 TRPGの進行に関してどうお考えでしょうか?
三:卓は少人数の会議形式で、問題の解決を議論することに似ていると思っています。GMはシナリオでゴールは設定するんだけど、そうでないゴールもある。それはそれで良い結果になるのもTRPGと同じだと思っています。サンプルシナリオみたいに全てがまとまりすぎていると、かえってやりづらいと私は思っていますね。PLで参加されている方でも、GM視点というか、一緒に物語を作っていくのをアシストしてくれる方もいますよね。特に一人で悩むより行動をするというか、わからなければ聞いてしまうとか周りを巻き込むのが良いとも思っています。しっかり聞くことが出来る人は理解が早くなるので、スタートの知識がなくても最終的には申し分ないか、むしろ一番良くなっていることが多いでしょう。
―会話のゲームでもあり、お互いの頭のイメージを共有していくことはたしかに必須だと私も考えています。三池さんの卓の作り方を伺っても良いでしょうか?
三:何でもかんでも説明するよりは皆で考える時間を与えた方が良いと思うので、システムの最低限のルールだけは保持しつつ、世界観や舞台はその場で作っていく方がやりやすいと感じています。例えばGMとしてソードワールドで遊ぶときは舞台は川が流れている街で、ここにスラムがあって、それを避けるように交易路が通っている…みたいにルールブックに記載されている世界観は無闇に取り入れません。PLとしてなら魔法学院の先生を目指しているけど、貧しいのでスラムの孤児に勉強を教えながら冒険者をしているというようにキャラクターの背景からを考え、そこからルールに沿って技能を選んでいきます。じっくり考えたPCなので愛着は湧きますよね。
―TRPGに関する研究もなさっていましたね(参考:http://u0u1.net/YI4e)。
三:ご紹介ありがとうございます(笑)。TRPGは魅力的な遊びですが、同時に大の大人がごっこ遊びをするような気恥ずかしさもありますよね。ですがそれでもTRPGはより広く知られ、活用されるべき遊びだと私は考えています。実際、研究でTRPGを活用している論文等はとても少ないですが幾つか見られます。しかしながら、私の知る限りですが「TRPGとは何か」という定義ができていないようです。まずはそこをはっきりさせ、そして活用の場を拡げたいなと思っています。難しいテーマですが研究を進めていきたいですね。TRPG的に表現するなら「君たちの知らない冒険がそこにある!」とか「冒険が君たちを待っている!」でしょうか。

聞き手:ユキ山これと
PR

理知的で本が好きな雰囲気が伝わってきた、鳴海様のインタビューです。
A卓KP:鳴海様(以下発言は 鳴:で表記)

-TRPGに触れるきっかけを教えてください。

鳴:大学時代に人狼から始まって、そのグループでTRPGに入りました。
-最初はどんなものから入ったんでしょうか?

鳴:クトゥルフ神話TRPG(以下、CoC)から入りました。
-どんなプレイヤーでしたか?

鳴:いえ、KPとして入りました。
-初のTRPGでいきなりKPですか! 一体どうしてそういうことに。

鳴:ノリ…でしょうか。どうする?誰やる? じゃあもう私やります! という感じでした。考えるより先に動く感じですね。
-素晴らしい積極性と行動力だと思います。KPとしての感覚はどのように掴まれたんでしょうか?

鳴:当時ニコニコ動画でCoCリプレイが流行り始めたころだったんで、まずは動画で。でも動画だと誰かが主人公感があるというか、脚色もあるでしょうけど、特定の人だけが目立つような感じがあったので、TRPGとしては私はそれは“よくないな”と思って、文字のリプレイも積極的に読むようにしていました。
-“よくないな”と感じられたということは、具体的にどのようなことを指すでしょうか?

鳴:小説だったら主人公が目立つでよいと思うんですが、TRPGは皆が主人公だと思っています。私は“自分が活躍できた!”と思って帰ってもらえたらいいなと思っています。提案を積極的に取り入れたり、発言が少ない方へ問いかけていくように気を付けています。
-セッション全体を上手に巻き込み、ともに作りたいという意思を感じさせる一言に、聞き手としてはとてもうれしく感じます。話は少し変わりまして、鳴海様の好きなシステムがモノトーンミュージアム、ドラクルージュ、マギカロギア、インセインというのをお見掛けしました。どんな理由からこれらのシステムが選ばれているのでしょうか?

鳴:全体的に明るくはないですよね。(笑) 私は普段テキストセッション(以下テキセ)が多いんですが、テキセは演出重視の世界なんですよね。
テキセを好む方はキャラクターに強い愛と設定を持ってくることが多いので、それを読み込みながら、ハッピーエンドに徐々に近づいていくということでしょうか。落として上げる、の方が雰囲気が作りやすいという事情もあります。
ゲームとしての勝ち負けではなく、キャラが納得してその終わりを迎えるという事が喜ばれるのは、テキセ特有の文化かもしれませんね。
-表現の世界としてのTRPGという世界では、単なる達成ではなく過程も踏まえた上での散り際というものも、一つ重要な要素なのですね。そう考えると、鳴海様の文章表現からは小説などを多く読み込んでいるような印象がありましたが、納得できそうです。

鳴:小さいころから海外の児童書をよく読んでいました。ハリーポッターとか。ファンタジー系が多かったですね。
日本でいうと上橋菜穂子さんの書くようなファンタジーが好きなのですが、設定が重いけれど、その中でも幸せを見つけていくという話が多かったので、今に繋がっているような印象はあります。
-ありがとうございました。最後に、当日の参加者に向けてメッセージを伝えるとしたら、どのようなことがありますでしょうか?

鳴:オフセは私も不慣れではありますが、宣言・意見などをはっきり伝えてくれると私のみならず参加者の皆さんにも伝わっていいかなと思います。信頼関係を築けるよう私も頑張りますので、皆さんもわからなかったらそのままにしないで是非聞いてほしいし、PLとしてやってみたいことを遠慮せず出してもらって、相談しながらセッションができればと思っています。
聞き手:ユキ山これと 12/4

C卓 GM センゴク様(以下、セ: で表記)
-TRPGに触れたきっかけを教えてください。
セ:中1のときにロードス島戦記ですかね。あの頃はだいぶ人気でした。それから環境がなく、やりたいなと思っていて20代半ばごろから上田でコンベンションとか、宇宙堂でやるようになりました。
-好みのTRPG傾向などはありますか?
セ:マトリックスとか、記憶屋ジョニーとか、キアヌ・リーヴス関係は何でも好きなんですけど、サイバーパンク系ですかね。TRPGでいうなら、シャドウランやトーキョーNOVA、アニメで言うなら攻殻機動隊とか、日本ではあまり知られていませんが、電脳都市OEDO808ですかね。
-これらに共通する要素はなんでしょうか?
セ:近未来だから、ありえそうだなと思えるところとの中にロマンがあったりするようなことでしょうか。あとは、どんなに技術や科学が発達しても、最終的に人の感情などがきっかけになって事件が起こっていたりして、人が生きているという想いは変わらないのだな、という風に感じられるところでしょうか。
-なかなか哲学的でもあり、考え方や感じ方がしっかり確立されているように私は感じました。それらが自分がGMする際にシナリオにはどう生きてきているのでしょうか?
セ:シナリオのベースをもう好きなストーリーにしちゃうだけでいいですよね。戦車に脳移植して暴走するとか、麻薬王が人格をコピーしてクローンじゃなくて本人が大量に出てくる、とか。シナリオで好きな物語を「再現」するような感覚ですね。
-シナリオは完全なオリジナルを目指すというよりは、好きなものを題材にする。
セ:それでも想定したものと異なることは多いし、それはそれで楽しい。最終決戦の舞台が変わるなんてのはしょっちゅうですしね。
-個人的な質問なのですが、想定していたものと違い過ぎるものが出てきた時はどのように対応をされていますか?
セ:完全な想定外や破綻が生じそうなときはもう素直にぶっちゃけますね。「すまん!それは想定外でちょっと対応できそうにない!他の方法を提示してくれないか」って。完全な自由というのは自由ではないと思うので、ある程度のできることの制限は必要じゃないかと。
-ここ近年のTRPG事情を見ると、GMが困らないように想定外を減らす試みは散見されますね。
セ:シノビガミをはじめとするサイコロフィクションもその傾向はあります。やっぱりやりやすいからでしょうね。情報はあるだけしかないとわかるから、プレイヤー心理で余裕が生まれる。結果、ロールプレイに専念しやすくなる。あとはGMプレイヤー双方想定外のことが減るっていうのも大きいでしょう。
-逆にデメリットを上げるとしたらどうお答えになりますか?
セ:自由にやりたい人にとっては枷ともいえる要素ではあるので、嫌いな人はいそうですよね。あとは、シナリオの汎用性が低くなるというか、人に合わせて調整するっていうことがやりにくくはなるでしょうね。
-最後に、当日のプレイヤーの皆さんへ一言お願いします。
セ:今回のシナリオは基本協力型ですが、ダイス目と行動次第で少し様相は変わってくるかなと思います。プレイヤーさんのおかげでTRPGできていると思っていますので、当日はよろしくお願いします。
-ありがとうございました。
聞き手:ユキ山これと

B卓 彼方一路(以下、彼: で表記)
-彼方さんのTRPGの入り口はなんだったでしょうか。

彼:二十数年前にソードワールドの1版をプレイヤーとして入ったのが初めてです。GMができる人と知り合って、その人がやってくれるものをやってました。実はそれ以前にもTRPGというものがあると知って、友達ととりあえずキャラを作ってみようとして挫折したこともありました。
 
-彼方さんのよくやられるシステム(ガーデンオーダー、アマデウス等)がありますが、これらの特徴と、何故それを選ばれてるのでしょうか?

彼:ベースとして共通するのは、舞台設定が現代日本に近いものです。そのため世界観のベースが伝えやすいと考えて選んでいます。
-ファンタジーのような完全にイメージの外にある世界だと、伝えきれる感じもないし、自分もイメージが沸きにくい。

彼:そうですね。過去にプレイヤーとして参加した卓で世界のイメージが掴めず、ついていけないことがあったのは確かです。現代社会の裏で暗躍する何か、の方が考えやすく回しやすいというのもあります。
-これらのシステムでシナリオを作るにあたり、参考にするものとかはあるでしょうか?

彼:「孔雀王」や「うしおととら」や「地獄先生ぬ~べ~」のような漫画が好きで、それらの日常で知らなければなんか気味が悪いね、で終わりそうなことを実は霊やら妖怪やら超常の存在が蠢いていた! というのをよくやるような気はします。日常の中の非日常というか、よく出る単語ではありますけど。 シナリオも完全なオリジナルというよりは、それらのお話の中で立場を変えたら、キャラが少し変わったら、という気持ちで作っています。ので知っている人からすると、あの話をベースにしたなとわかってしまうかもしれませんね。
-それでも視点が変わるだけで話が変わる可能性があるというのは、TRPGを経験していると私も感じているところではあります。彼方さんが現代異能物に慣れ親しんだきっかけはなんだったんでしょう?
彼:昔からアニメ、特撮作品のヒーローものをよく観ていまして、きっかけという点ではそれが当たるでしょうか。それらは「一般の人は知らないけどプレイヤーや能力者は隠された世界を知っている」というものが多かったように思います。今回のアマデウスもその系統なので、一般の人は持ちえない情報だけどプレイヤーは持っている(GMに聞けば教えてくれる)ような感じです。最近では「僕のヒーローアカデミア」のように、一般の人もヒーローやヴィランというものを普通に知っている世界観が増えて来たかなと感じています。
-その先は異世界転生物に移動しつつありますね。現代の技術を持ったまま違う世界に行く。
彼:そうなると私は異世界のルールや価値観がイメージできないものになってしまうので、なかなか提供は難しいかなと思いますね。(笑)
-確かに。個人的に聞きたいですが、彼方さんは多くのゲームに触れてきている印象がありますが、GMとしてどのようなことを考えてやってらっしゃいますか?
彼:私は「~~の人」と言われるような特定特化よりは、興味があったけど触れなかったみたいな新しい世界を提供できたらいいなと思っています。そのまま興味を持っていただいて、その人がGMをしてくれて自分がプレイヤーとして参加できたらいいなと。
-仲間を作っていく作業もしていきたいと。最後に、今回のシステムについて一言いただけますか?
彼:神話をベースにしていてプレイヤーは神の権能を受け継いだ・加護を受けた・パワーを得た存在になります。データとして神話はかなりカバーされていて、基本ルールブックだとギリシャ・ヤマト・エジプト・クゥトゥルフぐらいですが、他にもケルト・北欧・メソアメリカ(マヤ文明圏、テスカトリポカ・ケツァルコァトル)等があります。プレイヤーさんの好きな神話のパワーや世界観を表現できると楽しいかなと思います
-ありがとうございました。当日もよろしくお願いします。
聞き手:ユキ山これと

明るく快活なアンドロ様のインタビューです。
-TRPGに出会ったきっかけを教えてください。
ア:小学校の頃の友人に大学生の終わりごろ、TRPGやってた仲間がいなくなって代わりに呼ばれた感じです。
-その時はどんなシステムをやられましたか?
ア:CoCでした。シナリオは毒入りスープでした。
-いきなりプレイヤーから入られたんでしょうか? 動画とかは知っていましたか?
ア:プレイヤーからいきなり入った感じですね。初見でもわりとなんとかなりました。
-ほかに好みのTPRGシステムはありますか?
ア:持っているのは獣の森とかで、最近はゴブリンスレイヤーを買おうかなと思っていますね。現代ホラー系が好きではあります。
-何やら不思議な趣向を感じますね。何か共通点はあるんでしょうか?
ア:ホラー映画とかが好きなんですよ。
-それはTRPGのセッションにも影響がありますか?
ア:導入がとにかく大事だと思っています。ホラー映画はホラーとは関係ないところから引き込まれていく過程が大事だと思っていて、事情を知る周りの人の不思議な反応と、何も知らない自分の反応のズレから、違和感が繋がっていく、みたいな。
-恐怖は未知から生じるとは言いますね。自分の知らないところで蠢く何か、それに対する不安…なるほど、上記で上げられたシステムと似通う点はありそうですね。
ア:上手にできてなかったりもろばれだったりしますけどね。
-さて今回は"このすばらしい世界に祝福を!TRPG"(以下このすばTRPG)をやっていただきますが、どのようなシナリオ、キーパリングをお考えでしょうか?
ア:途中リタイアが出ないようにはいつも心掛けてるので、最後まで全員参加できたらとも思っています。あとは、知恵を絞れば楽になるよ、ということを示しながら自由にやっていただけたらと思ってはいます。
-例えば。
ア:このすばTRPGには”生活魔法“という能力的には何も持っていないフレーバー魔法があるのですが、それを組み合わせて言ったもん勝ちじゃないですけど、状況を作り出すのはありだと思っています。例えば水を作り出す魔法と、砂を生み出す魔法を組み合わせて泥沼を作成して敵の回避を下げるとか。水を作り出す魔法で一面海にしますとか無茶過ぎる提案で無ければ、できるだけ受けて作っていきたいですね。生活魔法を使わなくても、シーン的にここは通路だから敵がいっぱい来ても攻撃は全員出来ないよね? と提案していただいて、過去のセッションで敵の攻撃に制限を設けたこともありました。
-自由にやってくださいと言われるTRPGならではの表現ですね。今回参加者へ一言いただけるならばお願いします。
ア:ぜひこのすばTRPGの世界そのものを楽しんで欲しいなと思います。圧倒的な力を持つのは敵ぐらいで、主人公はサンプルキャラより弱い原作ですが、それでも知恵と工夫で生き残れる、誰でもできることだけど、誰でもできないことを全力で楽しんでいただけたらと思います!
-お話をお聞かせいただきありがとうございました。

語り手:アンドロ
聞き手:ユキ山これと

A卓KP:弾様(以下、発言は弾:で表記)
落ち着いた雰囲気と賢い雰囲気が同居する弾様のインタビューです。
-TRPGはどこから入りましたか?
弾:だいぶ昔ですが…高校生のときにロードス島戦記・フォーチュンクエスト、大学ではガープスというシステムをよくやっていました。

-どのようなことがやっていて楽しいと感じましたか?
弾:ガープスはCPという総合能力で全てがポイントで示され、有利なもの不利なものがはっきりわかるようになっています。不利な内容をあえてとると更にキャラクターを強化することができて、そうすると行動や立ち位置に制限が生じて、より人間臭いキャラクターになるんですよね。

-過去にプレイした内容で印象的なのがあれば紹介してください。
弾:信仰が強い世界で料理の神を信仰し、包丁と鍋で剣と盾のように戦う冒険家とか…、PL2名のセッションで雪山スタート、GMが「自分がなりたい大人でキャラを作ってきてくれ」というお願いがあって、その時にキャラがどういう苦労をしてきたか、こだわりがありそうか、現実味を帯びたうえで考えていくのは楽しかったですね。

-現実味や人間臭さなど、ファンタジーの世界でも完全な理想像や自分にとって心地よい状態を目指さない姿勢が見えますが、何かしら理由があるでしょうか?
弾:TRPGでの経験は、うまく表現ができませんが、ゲームがゲームで終わらないような感覚があると思っています。生活と繋がっているというか、体験としてそのまま思い出すというか。自分の過去の一部になると思うんですよね。

-小説より強い追体験、と言い換えてもいいかもしれませんね。となると、人間らしくない追体験はどこか浮世離れした感情を抱いてしまう。
弾:そういうことだとは思います。考えてみたことはなかったけど。

-お話頂きありがとうございます。少しお話を変えまして、GMとして自分がPLによくお願いしているようなことがあれば教えてください。
弾:キャラクターがすごく大事だと思っています。いつもは、自分をなんと呼ぶか、相手をどのように呼ぶか(例:名前を呼び捨て、さん付け等)をいつもしっかり決めてもらって、どうやって自分と相手と向き合うか、立ち位置がある程度見えた状態ではじめてもらうとやりやすいかなと思っています。

-TRPGのGMとして大事だと思う点をお話しいただけますか。
弾:TRPGの選択肢は無限とは言われるけど、実際は無限ではないと思っていて、無限にするためには状況の共有がしっかりできているか…例えば建物の材質、雰囲気、場所、そういうものをしっかり説明しようと頑張ってはいます。そうするときっと考える幅が広がって、うまくいかなかったとしてもよいということにはなるんじゃないでしょうか。

-当日の意気込みをお願いします。
弾:1/10ですが、CoCではありますので、宇宙的脅威に対面することはあるでしょうし、自分の意思をおもてに出す必要がある瞬間があると思います。こちらも頑張りますので、よろしくお願いします。

-多方面への配慮と気遣いを感じました。お時間を頂きありがとうございました。当日もよろしくお願いいたします。

語り手:
聞き手:ユキ山これと

明るく、素直に楽しんでいる雰囲気が印象的なオキツグさんのインタビューです。
-TRPGに出会ったきっかけを教えて下さい。
オ:友人から誘われてパラノイアから入りました。オンセなどはしらなくてなくいきなりプレイから入る感じでした。
-いきなり特徴的なシステムから入られたんですね。その後どのようにTRPGをプレイされていましたか?
オ:その時誘ってくれた面子で仲間内で回すような感じです。そのうち自分もまわすようになりました。
-TRPGを初めてプレイされたときにどのような感触を抱きましたか?
オ:…混乱からはじまった感じですかね? 何が何だかよくわからなかったです。サタスペやパラノイアっていう思い通りにいかない要素の強い、混沌としたものが多かったので、そのせいもあるかもしれません。(笑)
-混乱や混沌と聞くと、ストレスフルで大変そうな印象を抱いてしまいますが、TRPGを続けた理由はなんでしょうか?
オ:僕達がやっていたシステムはPCはすぐに死ぬものが多かったので、いかに散り際を美しくするか、面白くするかというのも一つの要素だったように思えます。
-例えば。
オ:ミッションがどうにもうまく進まないときに爆発オチに持っていくことや、袋小路に物語が詰まってしまったときにそれをどうに吹き飛ばすか、ということですね。
-そのような発想はどうやって出てきたんでしょうか。
オ:詰んだ状態であったとしてもやりようはあるよね? という感じでしょうか。仲間があっけらかんに死を受け入れるのを見て、それもありかと思えて、最初は戸惑いがあったけどだんだん自分もできるようになってきました。死=敗北でもないし。
-現代のゲームでは死やミッション失敗が敗北のようにとらえられてしまうことも多いようにも思われます。
オ:そうですよね。僕達はあまりそうならないし、それも楽しめる要素かなって。
-死が終わりではなく、それも一つの要素であるというのは非常に興味深いお話でした。最後に、オキツグさんのTRPGでGMをされる際の意気込みを聞かせていただいてもよろしいでしょうか?
オ:いつもシナリオを作るときは頭のネジを2本ぐらいはずして、わかる人にはわかるネタを仕込みながら、プレイヤーの意表を突きたいなと思っています。
-混乱と混沌を愛するオキツグさんならでは。
オ:びっくりしたり焦らせたりして、「お前、バカだろ!」って言われるように頑張ります。
-当日どのようなものが飛び出すか楽しみですね。貴重なお時間を頂きありがとうございました。当日もよろしくお願いいたします。

語り手:オキツグ
聞き手:ユキ山これと

TRPGをするために、わざわざコンベンションに行く理由は何があるだろうか?

私にとっては新しく遊ぶ環境を求めて、というのが最初の理由だった。ただやるだけならば、オンラインセッション(以下、オンセ)で自宅に居ながら行うことができる。実際に私も入口はオンセからだった。しかし、オンセでは1回の時間は短いものの総時間的には長くなってしまうこと、ネットだけの付き合いなので僅かな諍いやニュアンスの伝わりづらさがあること、空気感の弱さなど、実際のコミュニケーションに比べてかなり隔たりがあると感じていた。それに、TRPGという言葉はテーブルを囲んで行うRPGという意味だ。ならば本来の遊び方をしたいと思ったのだ。ソフトで将棋やカードゲームをするのと、実際に駒やカードに触れて相手を眼前に据えて行うのは同じではない。

勇気を踏みだしてTRPGコンベンションに参加したことは、私に非常に多くの体験と学び、友人を与えてくれた。大事なものを共有してくれる仲間というものが、これほどありがたいことはない。本名は知らないまま付き合うことも多いかもしれないが、心配はいらない。あなたの会社や学校で付き合いがある人で下の名前を知らない、最悪名前を半分間違えてたとしても、それだけが問題になることもないだろう。大事なのは関係性で、名前や立場というラベルではないと感じている。

本題に入ろう。これを読んでいるあなたが、東信TRPGコンベンションに来てくれる理由を、私達スタッフ一同は頑張って作りたいと思っている。魅力的なシステムを用意するのも必要なことだが、もう一つ私たちは別の経路を考えた。今回のコンベンションでGMをしてくれる人がどういう人であるかを、知ってみてはどうだろうか?

これは私自身の関心でもある。GMという面倒な役回りをわざわざ買って出てくれる人、それはTRPGに対して強い愛情があるか、真剣に向き合っているかのどちらかである。その人たちの物語は、どんな側面であれ何かしら響くものがあるだろう。今回から卓情報とは別に可能な範囲で「GMインタビュー」として、私が聞き手として行ったものを掲載していく。今のところ、聴いた物語はどれも興味深いものばかりだ。文章家としての才能はないので多少読みづらい点はあるかもしれないが、是非彼らの語りに耳を傾けてほしい。

東信コン運営スタッフ 事務局 ユキ山これと